ランボー 最後の戦場

ランボー 最後の戦場 コレクターズ・エディション [DVD]
59分我慢した。

グロさは増したが、退屈な作品だった。そして退屈な作品だけあって、魅力的な脇役はひとりもいなかった。

主人公に命を救われたくせに、憎しみをあらわにする人道主義者。主人公に移動手段を依存しているくせに、一方的に突っかかっては見下す傭兵のリーダー。どちらも主人公の引立て役だから、愚か者として描かれている。人道主義者は自分が殺されることを考えないし、傭兵のリーダーは敵地に置き去りにされることを考えない。

シナリオを読めば安心だ。主人公は人道主義者を救出するストーリーになっているから、殺されたらとおびえる必要はない。また、主人公は傭兵を率いるストーリーになっているので、置き去りにされたらと恐れる必要もない。それにどうせお芝居なのだから、なにも怖くはないわけだ。

もしも、人道主義者が生と死に苦悩したなら、ドラマに深みが増しただろう。傭兵のリーダーが主人公のただならぬ雰囲気に一目置いたなら、わざわざセリフで説明しなくても有能だとわかっただろう。

主人公とは、優れた人物を脇に配されてなお、輝く存在でありたい。

愚か者を引立て役にして主人公が輝いたと満足するようなら、プロとは呼べない。スタローンは監督をするべきではなかった。