ノー・グッド・シングス

ノー・グッド・シングス [DVD]
恐ろしくつまらない作品だった。

主人公が楽器を弾く、かったるいシーンで始まった。ただの練習でうまいとも思えず、引き込まれるどころか、早くも見るのがいやになった。

次に隣人がやってきて家出した娘を捜してくれと頼むのだが、これがまた不愉快な人物だった。刑事とはいえ、主人公がなぜせっかくの休暇をつぶしてまで協力するのか、まったく共感できなかった。

聞き込みを始めた主人公は、玄関先で転倒した老女を助けるのだが、この家は犯罪者のアジトだった。老女も一味なのだが、なぜか主人公を家に招き入れて歓待する。そして刑事だとわかると仲間が縛り上げるのだが、家に入れた理由がさっぱり理解できない。

一応、主人公は老女の荷物を運び入れたことになっているが、そもそも犯罪者なのだから、一味の五人が潜む家の中には他人を入れないようにするのがふつうだろう。手助けしてもらった礼だけ述べて追い払うべきで、主人公も警戒されたことを不審には思うまい。

主人公が捜していたのは家出に関わっていると思われる金髪で青い目の男だったが、犯人一味のひとりが金髪で青い目というだけで、主人公を殴り倒している。主人公を窮地に追い込むために用意されたシナリオは、勘違いによる早合点なのだから呆れてしまう。

一味の全員が顔を見られたわけではないのに、主人公に目隠しもしない。しっかりツラを拝ませておきながら、黒幕は殺しを拒否する。椅子に縛り付けただけで、主人公から目を離してテレビに夢中になったり、痴話ゲンカをしたりと、犯人一味にはなにひとつ魅力がなかった。あまりにもまぬけすぎて、どんな悪事を企てているのかさえ、興味を持てなかった。

ここまでで16分。恐ろしくつまらない作品だった。