開始1分で見る気をなくした。
侍が砂浜を歩いていた。波打ち際だった。袴の裾が濡れた。わざわざ波に洗われる理由は示されなかった。道でもないところを歩いて、波をよけようともしなかった。
裾を濡らした侍は、そのまま歩くことになる。自然に乾燥するまでは着心地が悪いし、海水だから乾けば塩を吹く。そして、汚れてみっともない姿で旅を続けることになる。
あえて濡れるからには相応の理由が必要なのだが、それは一切なかった。実に不自然なシーンだった。おそらく監督は、おしゃれな映像さえあれば、ストーリーはどうでもいいのだろう。
ストーリー軽視の作品に、開始1分で見る気をなくした。