スパイダーマン 2

スパイダーマンTM 2 [DVD]最低のヒロイン。

映画はおもしろかった。しかし、ヒロインは最低だった。主人公が恋い焦がれる美女という設定であるにもかかわらず、顔が不細工。おまけに意地が悪そう。もちろん、役者に責任はない。悪女役こそが似つかわしい役者を、なにを血迷ったか美女役に据えた監督の責任だ。

さらに、このヒロインは性格も悪い。恵まれない家庭で育った反動からか、上昇志向が強いと見えて、大企業の御曹司に軍のエリートと、巧みに男を乗り換えてゆくさまは軽蔑するよりほかにない。挙式直前になってなんの落ち度もない新郎を捨て、今度はスパイダーマンというヒーローに鞍替えする。こうも醜いと、もはやヒロインとして失格だ。

原作は読んだこともないが、原作からしてすでに醜く描かれているのだろうか。それとも、醜いヒロインにはやはり理由があって、続編で悪役に転じるのだろうか。いずれにせよ、まったく共感できない最低のヒロインであり、見る目のない主人公が情けない。

主人公が住む共同アパートの大家の娘は、痩せぎすで背が高く猫背でしかもそそっかしい性格ではあったが、けなげにも主人公を誘って一緒にケーキを食べるなど、ほほえましくて充分に魅力的だったのに。

醜い女をヒロインとし、魅力ある女性を脇役に留め置く。いったいぜんたい、監督はなにを伝えたかったのか。それとも、伝えるべきものはなにもなく、単なる美意識の相違なのだろうか。