アウト・オブ・タイム

動機付けに失敗。

主人公は薬物を注射されており、意識がはっきりしない。その点でアクション映画の壮快感を損なっている。また、敵役がただの悪役で魅力に乏しく、対決しても盛り上がらない。

駄作にまぬけが登場することには慣れているが、そこそこの出来である本作にはバカが登場する。主人公を生かして捕らえるようボスに厳命されているにもかかわらず、殺すことしか頭にない。殺さずにはいられないような憎悪を主人公に抱いているわけではなく、殺しが趣味のイカレたキャラでもない。つまり、主人公を殺さなければならない動機が存在しないわけだ。

とにかく主人公を殺そうとするから、画面は盛り上がって見えるけれども、殺す理由が見当たらないので見ているこちらは冷めてしまう。