フライト・オブ・フェニックス
かなり期待していたのに残念だ。「砂漠のど真ん中で たった一つのチャンスにかける」というから魅力的なのに、ほかの選択肢も存在していてがっかりする。
最大の失敗は、安直に設定された敵だ。密輸業者かなにかの武装集団が、悪者として登場する。「砂漠のど真ん中」にいるはずの主人公たちの、そのすぐそばに偶然居合わせるという実にくだらない設定。
しかも、この悪者集団は航空事故の痕跡を見つけておきながら、機体の残骸は探そうともしない。お宝が転がっているかもしれないのに。おまけに仲間を殺されても報復しようともしない。圧倒的に優位な大集団なのに。主人公たちの逃走準備が整うのを待ってから襲撃してくるあたりは、つまらないシナリオが透けて見えてしらけるだけ。
どう考えても「たった一つのチャンス」とやらに懸けるよりも、大金で釣って救助を依頼したほうが得策だ。密輸業者だかなんだか知らないが、金さえ稼げれば否やはないだろうに。
謳い文句にもあるように、「砂漠のど真ん中で たった一つのチャンスにかける」のが売りなのだから、武装集団はまったくもって不要。むしろ、第三者は存在してはならない。求めたのは、墜落して孤立無援の一行だけで繰り広げられるドラマなのに。ああ、残念。