阿修羅城の瞳

阿修羅城の瞳 [DVD]萬屋錦之介の雰囲気。

鬼が登場した瞬間にがっかりしたのだが、それはもうどうでもいい。SFXと呼ぶのかVFXと呼ぶのか知らないが、特撮がしょぼくてがっかりしたのももうどうでもいい。

市川染五郎の存在がすべての不満を消し去った。彼はいったいなぜ、萬屋錦之介の雰囲気を醸し出しているのか。演技か、それとも地か。さすがに錦之介ほどのオーラはないものの、何度となく錦之介を思い出せてもらった。

いずれ幸四郎を継ぐのだろうから無理は承知で願うならば、どうか第二の錦之介に育ってほしい。本作の出門役そのままに、染五郎に「てめえら人間じゃねえや! 叩っ斬ってやる!」と決め台詞を唱えさせてみたいものだ。