THE CLOSER

クローザー <ファースト・シーズン> コレクターズ・ボックス [DVD]
見ていて不快になるだけ。

主人公の女性は尋問のエキスパートで、容疑者を自白に追い込むのが巧みだと聞いて興味を持った。甘い物に目がなく、方向音痴という設定も悪くなかった。しかし、見てみれば不愉快なドラマだった。

主人公は部下から総好かんを食らって浮いていた。嫌われる理由は納得できるもので、主人公が部下に対して慇懃無礼な口をきくたびに、見ているこちらまでいやな気分になった。管理職としてはもちろん、主人公としても資質に欠けていた。

部下にも感情移入はできなかった。なにかと反感を剥き出しにし、任された尾行はくだらないおしゃべりに熱中して失敗し、仕事も放り出して主人公のスキャンダルを漁り、事件は解決したのに盗聴を続行して主人公の濡れ場にほくそ笑む。これでは見ていて不快になるだけ。

尋問シーンもたいしたことはなく、主人公がエキスパートのように思えたのは第一話くらいで、あとはよくある刑事ドラマでしかなかった。それでも主人公の捜査能力だけは優れていると考えて見続けたのだが、実は無能だとわかった。

犯人であってもおかしくはない部外者に捜査資料を渡したかと思えば、身につけた盗聴器を外すのも忘れて男と戯れる。努力しても矯正しきれない方向音痴という欠点に魅力を感じることはあっても、まぬけの不始末に魅力を感じることはない。

容疑者を自白に追い込む過程で、主人公が様々な尋問術を駆使するのだと思っていたが、どうやら期待が大きすぎたようだ。第五話まで見たが、第一話からすでに不快感を覚えていたのだから、早々に見限って時間を節約するのだった。