エラゴン 遺志を継ぐ者

子供には見せたくない。

予想どおりにお子様向けで、早い段階で見るのをやめたくなった。ジョン・マルコビッチ見たさに我慢したが、活躍しないどころかろくに出番もなかった。

国王の軍勢は悪として描かれているが、その一方で過酷な徴兵シーンなども披露されている。そもそも主人公は、いっしょに育った従兄が徴兵逃れのために家を捨てるという、悲惨な経験もしている。

にもかかわらず、そんな主人公がなにひとつ苦悩することなく、敵だからと平気で国王の軍勢を焼き討ちにするシーンにはあきれた。敵の中に従兄がいてもおかしくはないし、同郷の者がいてもおかしくはない。顔見知りがいなくても、いやいや徴兵された者が少なくないことは知っているはず。

大人向けにいくさをシリアスに描くのであれば、ただ敵というだけで滅ぼしてもなにも不満はないが、子供向けの勧善懲悪物で正義の味方がこれでは、子供には見せたくないものだ。