リーピング

リーピング 特別版 [DVD]
よくあるホラー。

聖書を題材にしたよくあるホラーだった。冒頭部分は神秘的な現象を科学的に解明してそれなりにおもしろかったが、あとはふつうのオカルトだった。正直言って、この手の作品にはもう飽きている。

とある一神教が多数派を占めるにちがいない国で、物心つく前から一神教に染まってきたであろう人々が、その一神教を題材にするものだから、絶対にほかの宗教の神々は登場しない。これがつまらない原因だ。

娯楽映画を作るのなら、ある宗教の預言を異なる宗教の預言で否定して、宗教ごちゃ混ぜの終末を描くくらいに弾けてほしいもの。神など宗教の数だけ存在すると、ゴミくず扱いするようなストーリーを楽しみたい。

とはいうものの、それをやってしまうと異教徒がうちの神様を冒涜したと問題になって、クレームどころか、デモだのテロだの紛争だのとエスカレートしかねないのだから、とてものことに期待できそうもない。作り手が自分の宗教の世界に閉じこもって、無難に仕上げてしまうのはしかたのないことか。

映画は怖くなかったが、宗教とは恐ろしいものだ。