臨死

拾い直すのではなかった。

予告編にそそられたので我慢し続けたが、24分たっても始まらなかった。見るのはやめてなにか起こるシーンまで飛ばすことにしたら、数分後にようやく事が起きた。ここからはおもしろくなるだろうと不快なシーンにも耐えたが、おもしろくはならなかった。恋愛物のような流れになっても、不快なヒロインに魅力はなく、感情移入もできなかった。

ヒロインに主人公の声が届くシーンはあったが、気がついたら霊の声を一言一句漏らさずに聞き取れることになっていた。ヒロインが死にかけているから声も聞こえるようになったという設定なのかもしれないが、しっかりと両足で立って平手打ちにも耐え、流暢に話すのだから、とても瀕死には見えなかった。

本作は、一度はスルーと決めた作品だ。拾い直すのではなかった。