ミスト

ミスト [DVD]
もったいない作品。

これは最高のラストシーンが拝めるぞと思ったら、最低のラストシーンを見せられた。絶望の果てに死に絶えて終わるとは最高だ、安易な解決策を持ち出さないのがいい。と思ったのも束の間、あっさりと解決してしまった。解決してしまったがために、なんとも後味の悪い終わり方となった。

その後味の悪さこそが監督の求めるものだったのだろう。中盤のうっとうしい展開で、見せたいのはモンスターパニックではないのだと感じた。人間とはなにかを語り合うシーンもあった。

しかし、あのラストでは後味の悪さを楽しめない。残弾4発という設定ならば、生き残りをひとり減らしておくべきだった。ガス欠する前にガソリンを補充しようとして、誰かが命を落とすシーンがあってもよかった。そうであれば、ガス欠してもうダメだと観念するシーンにも説得力が出る。

そして4発の弾丸を撃ち尽くして、静まりかえった車にあのラストシーンが訪れるのであれば、後味の悪さを楽しめただろう。そう思うと、実にもったいない作品だった。