シャッター

オーソドックスな亡霊だったのでよかった。

写真がメインとなるので怖くはなかった。雑誌社が心霊写真を捏造しているシーンを見せられたので、映画で使う写真も同様と言われているような気がしてしらけた。

どうせ妖怪型の怨霊が攻撃してくるのだろうと思っていたら、恋しい男にしがみつき、取り憑いて離れようとしないオーソドックスな亡霊だったのでよかった。裏切られて捨てられた平凡な女が化けて出るのは悪くない。

ただ、亡霊と化すほどの、女の悲しみや恨みつらみは伝わってこなかった。乱暴されるシーンが控え目な演出で出てきたが、見ていて楽しくはないし、亡霊に感情移入して男どもを取り殺してしまえと応援したくなる。

いっそ亡霊を主役にして、初めから最後まで亡霊の視点で描いたほうがおもしろかったかもしれない。

それはそうと、一部の日本人俳優のセリフが聞き取れなくて困った。外人さんの英語は、意味はわからないが声ははっきり聞こえる。ところが、日本人が登場して正しい日本語を話しても、声がはっきり聞こえないのでなにを言っているのかさっぱりわからない。そういう演出なのだとしたら、つまらないことにこだわるものだ。