地球が静止する日

地球が静止する日 <2枚組特別編>〔初回生産限定〕 [DVD]
宇宙人の侵略物。

地球が静止するというから、自転が止まる話だと思っていた。自然災害やパニックを見せてくれると、楽しみにしていた。ところが、宇宙人が登場してなにかが違うと気づいた。映画に宇宙人が登場することに違和感を覚えたのは、生まれて初めてだ。

終わってみれば、宇宙人の侵略物だった。地球のために人類を滅ぼすと、身勝手な理屈を平然と唱える宇宙人だった。自分の正しさを信じて疑わない宇宙人が、いったいどんな文明を築いたのか興味があったが、それは見せてもらえなかった。

監督はいったいなにを伝えたかったのだろうか。ただ単に、自然保護を訴えてみたかっただけなのか。それとも、自然保護や動物愛護のためなら平然と他人を傷つけるような、おぞましい連中を宇宙人になぞらえたのか。

なにを伝えたかったにせよ、おもしろくはなかった。説教くさいことは言わずに、いっそ怪獣映画と割り切って作ってもらえたなら、少しは楽しめたかもしれない。昆虫ロボットの群れがクライマックスであれこれと破壊しまくったシーンだけはおもしろかったのだから。