デッド・レイン

デッド・レイン [DVD]どこでなにを学んだのやら。

久しくクリストファー・ウォーケンを見ていなかったので、我慢して最後まで見た。シリアスな作品にまぬけを登場させてはならない。これはもう鉄則である。ところが本作と来たら、ウォーケン以外の犯人は全員がまぬけという、コメディ並みの設定になっている。

とにかく相棒が最低で、金庫破りの下見に行ったのに駐車場で居眠り。鍵の型取りに忍び込んでみれば、おもちゃを踏んで音を立てる。もちろん、これらはまぬけであることを強調するための演出なのだが、そもそもまぬけが不要なのだから演出も不要だ。

クライマックスのまぬけっぷりは過去最悪。金庫を開けて現金を手に入れたら、うれしさのあまりにウォーケンをヤマに引き込んだ秘密をバラす。怒ったウォーケンが足を踏み出すと怖がって逃げだし、金庫室のケージを閉めてしまう。ケージの鍵は閉じ込められたウォーケンが持っている。

そして、情けないほどにすてきなシーンがやってくる。金庫室のケージの中にウォーケンを閉じ込めてしまったバカ相棒は「だいじょうぶ。ほら、ここにボタンがあるから」と言って非常ベルのボタンを押すのだ。( ゚д゚) ポカーン

本作は決してコメディではない。あくまでもシリアスな作品だ。なのに、このありさま。ちなみにバカ相棒はウォーケンのいとこを装っているが、実は赤の他人だというエピソードが披露される。きっと伏線だろうと信じて、どこにどうつながるのか待っていても、どこにも全然つながらなかったりする。いとこならいとこでいいし、他人なら他人のままでいいわけだ。無意味なエピソードをわざわざ盛り込んで、しかもオチなしで放置してどうする。

監督・脚本、マイルズ・コーネル。どこでなにを学んだのやら。