アイ,ロボット

アイ,ロボット 通常版 [DVD]一本取られた。

予告編を見て、てっきりあれが悪役だとばかり思っていたら、まるでちがっていた。なんだ、こっちかと思えばそれもちがって、じゃあ、あっちかと思えばそれもちがう。えっ、こいつかよと思ってもそれもちがって、うそっ、それかよという展開に。別にミステリーではないので犯人捜しをする必要はないのだが、SFとしては古典的な部類に属する悪役をこうも見事に外すとは、一本取られた気分だ。

古典といえば、「自我を獲得したロボットが自律行動に至る」というテーマがまさしくそれなのだが、せめて表現くらいはオリジナリティが欲しいもの。「ロボットにゴーストが宿る」では、そのまま「攻殻機動隊」ではないか。オマージュの意を汲んでやれないことはないが、表現が直截すぎてパクったように感じられ、あまりいい気持ちはしない。