ファイヤーウォール

何度も休憩させてもらった。

期待していた割に前半がかったるかった。まるで引き込まれないものだから、何度も停止しては休憩させてもらった。

用意周到に見えた計画だが、綿密な下調べをあっさりと否定するかのような手抜かりで頓挫してがっくりきた。仮に計画がうまくいったとしても、堂々とどこにでも顔を出していた主犯が疑われないとは考えにくく、そうなれば偽装隠蔽工作の数々は無駄になるわけで、すんなり受け入れるには難のあるストーリーだった。

また、ハリソン・フォード主演の作品で、素人にも一目でそれとわかる低劣な合成映像を見せられたことには興醒めした。なにも難しいシーンではなく、走行中の車内を映すというありきたりのシーンだっただけに手抜きに感じられた。車の窓に張り付いた雨滴が風に流される様子など、細かいところは凝っていたのに残念だった。

主人公が主犯を逆に人質に取ることも可能な状況もあったので、実際にそうして抵抗し、銀行に立てこもるといった波乱でもあれば、もう少しスリリングになったかもしれない。犯人は主人公に罪を着せようとしているのだから、もっと窮地に陥った主人公を見たかった。