アサルト13 要塞警察
ジョン・カーペンターの作品とは違って、襲撃に明確な動機付けがなされており、事件の発端も理解できるものだった。その点で大きく異なる本作だが、残念に思う反面、これはこれでおもしろかった。
最初に倒れた襲撃者が、身分を明らかにするものを携行していたことにはがっかりしたが、よくよく考えてみれば、部外者に対して身分証を提示する必要が出てくることもあるだろうから、やはり携行は必須か。
とするとこれは、ジョン・カーペンターの作品とは違うのだというメッセージだったのかもしれない。敵が何者であるかをあっさりと明かして、ただのリメイクではないことを見る者に告げたのだろう。そう考えれば、がっかりするほど早かった種明かしにも合点がゆく。
そして早々に敵の正体が知れたからこそ、ジョン・カーペンターの要塞警察を見るのだという意識は消え去り、別の作品を見る心構えにつながった。襲撃者が手際よく署内に侵入したあたりで、これはひょっとするとと読めた展開ではあるものの、はっきりと示されないことには古い作品をいつまでも引きずったことだろう。
リメイクであるにもかかわらず、おれの映画を見ろとでも言わんばかりの大胆な演出には恐れ入った。主人公の背中を映していたのに、次の瞬間には鏡の中でこちらを向く主人公が映るというさりげないシーンも見事だった。