ラストフロント 〜1944 英米連合軍マーケット・ガーデン作戦〜
ナチスの支配下に置かれた女性が汚物入りの食事を作って兵隊に食わせるシーンで、見るのがいやになった。そうまでするほどの憎しみがあるのなら、忘れた頃にセリフで説明するのではなく、事前に被害者感情を理解できる形で見せてほしかった。そうでなければ不快感で胸糞が悪くなり、ナチスに同情してしまう。
財宝を狙う悪役が裏切り者への憎しみをたぎらせて登場するのだが、無関係の女性を問答無用で射殺したかと思えば、実は死んだふりのお芝居でしたなどという軟弱な展開にはがっかりさせられた。コミカルなオチのせいで、せっかく盛り上げた憎しみが台無しとなった。
どうやら監督は雰囲気を壊すのがお上手と見えて、悪役に脅迫されて必死に命乞いをする裏切り者が、押し倒されて男同士で体が重なったときに卑猥なギャグをいうシーンをわざわざ見せてくれる。命乞いの演技を無駄にして、いったいなにを表現したかったのかさっぱり理解できない。