AVP2 エイリアンズVS.プレデター

AVP2 エイリアンズVS.プレデター 完全版 (初回生産分限定特典ディスク付・2枚組) [DVD]
監督と脚本家には転職をお勧めする。

全然おもしろくない。これがAVPの第1作なら我慢できたかもしれないが、期待した2作目がこんな出来とは。

前作でせっかく地球を離れたのに、さっさと墜落させて地球に戻してどうする。前作を見た監督はなにも期待しなかったのか。次は、地球から遠く離れた宇宙船で、あるいはどこか別の惑星で、エイリアンとプレデターが戦うのだと、わくわくしなかったのか。なるほど、舞台を地球に戻せば、異星人の宇宙船も異星の環境も考えなくて済むから、撮影はさぞかし楽だったろう。

始まったかと思えばあっさりと地球に墜落して、早くも人間が登場する。日常生活などというかったるいシーンを見せられるのだが、前半の30分はとにかくくだらない。そもそも宇宙船が墜落した森は大きな町の近くにあるのに、たまたま森にいた人間以外は誰も異変に気づかない。

平凡な日常生活でなにやら脇役らしき人物が、仕事で配達中にいきなり暴行されて車のキーを下水に捨てられるのだが、それはケンカでもなんでもなく犯罪被害なのだから、保安官事務所に通報するべきだろう。

それを理由も明かさずに泣き寝入りさせて、下水に捨てられた車のキーを探しに行かせるとは、こんなストーリーを考えた脚本家はどうかしている。下水に捨てられたキーが簡単に見つかるはずもなく、なにより汚らしいのだから、探すどころかスペアキーで済ませるのが普通だろうに。

登場人物を下水に行かせたいのであれば、車のキーなどではなく、代替のきかない物を落とすべき。小物に車のキーしか思いつかなかったのなら、せめてそのキーを拾いに行くしかないストーリーを用意してもらいたい。

どう見ても小さな物を探し出せるはずもない広く暗い下水道で、車のキーを探す登場人物はただのまぬけでしかない。いったん帰宅しておきながら、懐中電灯以外はなにも用意せずに下水道に下り、わざわざ素手で汚水に手を突っ込んで、手探りするバカがいるだろうか。撮影所のセットは清潔で安全だから、手探りしてもなにも気にならないかもしれないが。

そして、広くて暗くて臭くて不衛生な下水に落とした車のキーは、すぐに見つかるのだからあきれてしまう。しかも、キーが見つかったことにたいした意味はなく、探し物は済んだからと地上に戻るだけ。

監督と脚本家には転職をお勧めする。